最愛宣言~クールな社長はウブな秘書を愛しすぎている~

 なんだかどんどん私が悪いような気がしてきて、憮然として黙り込む。だって本気で真木は友達だと思ってたし、合コンしまくってるんだと思ってたし。


「だから、ちゃんと伝えに来たんだよ。もう知らなかったって言い訳できねえように」


 真木が真っすぐ私を見つめる。友達だったはずの人間にいきなり男の顔をされて、戸惑うあまり茶化して誤魔化してしまいたくなるけど、それはしちゃいけないといくらなんでも鈍い私にでもわかる。

「……真木の、気持ちは、嬉しいけど」
「ストップ」

 真剣に答えようとしているのに待てがかかった。

「今断ろうとかすんなよ。俺はこれからが本番だと思ってるから」
「……」
「お前が来ないなら俺から会いに行く。まずはお前が社長を吹っ切るまでは待つ。六年越しの片思いなめんな」

 本気でそう言ってくれる真木を見て、私はなんだか泣きそうになった。
 
 六年越しってなによ、入社してからずっとじゃない。私はなんにも知らないで、真木の優しさに甘えるだけ甘えて、挙句他の男と別れたから遠くに行っちゃうって、すごい最低じゃない。なのにまだ諦めないって。

「なんでお前がそんな顔するんだよ」
「あんたがあまりにバカでかわいそうになったのよ……っ」

 私の酷い言い草に真木は怒りもせずにやりと笑って、それから何か思いついたように一歩近づいてきた。
< 146 / 175 >

この作品をシェア

pagetop