死席簿〜返事をしなければ即、死亡
えっ⁉︎
教室全体が揺れた。
てっきり和解して、世良のことを許すとばかり思っていたのに。いや、和久井は「許す」と言ったじゃないか?
「な、なんでだよ?」
当然、世良が問いかける。
「幹夫の気持ちは痛い程よく分かる。だから許すよ」
「じゃ、じゃ、なんで?なんで有罪なんだよ?」
「僕をいじめたからさ」
さも当然というように、和久井は言い放った。
「幹夫のことは許すけど、僕をいじめたことは絶対に許さない。どんな理由であろうと、いじめた奴が悪い。それ相応の罰が与えられるべきだ」
「そんなっ」
「今さら謝ったところで、僕が受けたいじめは無かったことにはならない」
そう言って冷たく突き放すと、世良が激しく首を振り始めた。
「ふ、ふざけんなっ‼︎お前なんか、お前なんかいじめられて当然なんだよ!根暗で陰気でヒステリーで、いじめて下さいって顔に書いてあんだよ‼︎」
「本音が出たな。先生、有罪でお願いします」
「わかった」
今井はひとつ頷くと、地団駄を踏んで罵っている世良の前に進み出てきた。
「や、やめろ‼︎進、なぁ、やめさせてくれよ。俺が悪かったから。おい、こっち来るな__おい!進、てめぇぶっ殺してやるからな‼︎」
ありとあらゆるところに血管を浮き立たせて喚く世良の首に、今井がスタンガンを打ち付ける。
ばしん。
世良が後ろにのけ反った。