懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
「お父様、おじ様!」とジュリエッタは歓喜の涙を流し、ロメオが嬉しそうに彼女の肩を抱きしめていた。


喜びに沸く広場の雰囲気に飲まれるように、困惑していたコナヒキーとテッコーマンの顔つきも変化していく。

いがみ合ってきた気持ちに踏ん切りをつけることができたのか、大きく息を吐いたテッコーマンが、「嫌がらせして悪かったな」と謝れば、コナヒキーは「こちらも同じことだ」と頷いた。


「勝手に伯爵に掛け合ったりと、鍛冶屋組合が怒るのも無理はない。すまなかった。これからは仲良くやっていこう」

「そうだな、平和が一番だ」

「子供の頃、お前に大便をもらしたと言いふらされた恨みも、これを機に忘れよう」

「この野郎、まだ根に持っていやがったのか? アレは悪かったよ。腹具合が悪い時にはそんなこともあるさ」


同時に吹き出して笑った頑固親父たちは、それから、「ロメオとジュリエッタの結婚も認めてやらねばならんな」と明るい未来の相談を始めていた。


「一件落着だよね」

カイザーの隣に立つラナが、スッキリした顔で話しかければ、彼は「ああ」と嬉しそうに頷いた。

青空にそびえる時計塔を見上げ、「いい町だな」としみじみと呟いたカイザーに、ラナはペロリと唇を舐めて同意する。


「うん。郷土料理も美味しかったしね」

「まったくお前は、食べることばかりだな」


ラナの食いしん坊ぶりに呆れるカイザーであったが、彼女を映す瞳は眩しそうに細められ、信頼と尊敬の念が表れていた。

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