懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
ラナが『堂々と』と強調した通り、ルーモン伯爵は努力して威厳を感じさせる話し方をしているようであった。

それは領民の心に深く響いたようで、全員が真剣に耳目を向けて、これまでの行いを反省し、後悔から涙を浮かべている者もいる。


小麦生産も鉄工業もどちらも重要産業で、予算の配分については伯爵が判断して決めることや、争い事を起こせば、今後は厳しく処罰することを明言した後、伯爵はいがみ合ってきた両者に呼びかけた。


「コナヒキーとテッコーマン、立ちなさい」


ふたりを向かい合わせに立たせた伯爵は、それから「握手をしなさい」と命じる。

両者は目を泳がせて困り顔をし、どうしたらいいものかと迷っている様子である。

けれども、「従わぬというのか?」と伯爵に厳しい声をかけられたら、慌てたように同時に手を伸ばして、両手でしっかりと握手を交わした。


ワッと歓声が湧いたところを見れば、農民と鍛冶屋の男たちには、もう争う意思はなく、今後は助け合って生きていこうという思いに変わったようである。
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