懲らしめて差し上げますっ!~じゃじゃ馬王女の下克上日記~
値上がりすれば当然、消費が抑えられ、経済は衰退していく。

外壁が傷んでも貧しさから修理することができず、宿屋は腹ペコの旅人に、ジャガイモのシチューしか提供できなかったというわけだ。

働いても生活が豊かになることはなく、金を伯爵に吸い取られるばかりだと思えば、やる気も出ない。

町人たちが、やけに元気がなく、活気が失われていると感じたのは、そのためであろう。


イワノフの眉間の皺は、話しながらどんどん深いものとなっていく。

「誰に聞いてもなかなか事情を話さなかったのは、箝口令が敷かれておったからじゃろう」


中央政府に相談せずに勝手に税率を上げたと知られたら、厳しい指導が入ると恐れたレベンツキー伯爵は、視察団がきた時だけ物価を下げるように領民に通達し、問題がない風に装っていたと思われる。

半年前の視察では、ボロ屋の外壁を絵の具で白く塗るまでして隠そうとしたのだから、伯爵自身も、この三年間で急激に町が劣化したことをわかっているはずだ。

それでも悪政を続け、文句を言えば牢にぶち込むとは……イワノフの目がつり上がるのも無理はない。

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