懲らしめて差し上げますっ！～じゃじゃ馬王女の下克上日記～

近年、中央政府はこの領地に視察団は送っておらず、領地内での争いについて、ルーモン伯爵に質問状を送ったら、それを認める返答があったそうだ。

けれども、単なる喧嘩程度の小さないざこざだから心配無用という内容で、今年の春にその回答書を読んだ国王は、問題ないと判断した。

それが最近になり、この地の民が遥々王城まで陳情に訪れて、領地を二分するような対立が民の間で一年以上も続いているので、なんとかしてほしいと訴えたらしい。


資料に書かれているのはそれだけで、具体的にどんな対立なのかはわからない。

それを調査するのが、ラナに与えられた、ふたつ目の課題であった。


資料を丸めて、オルガにポンと投げ渡したラナは、腕組みをして首を傾げる。


「まだ入って半日ほどだけど、平和だよね。村は豊かに小麦が実ってたし、コナヒキー一家はニコニコして、町も穏やかに時間が流れているように感じるけど」