こじれた恋のほどき方~肉食系上司の密かなる献身~
「ねぇ、お姉さん。ひとりで来てるの?」

ただでさえ虫の居所が悪いというのに、気安く声をかけられると不愛想に視線をやった。見るとふたりの男がへらっと笑って、ジーンズのポケットに手を突っ込みながらニッと笑っていた。

「ひとりですけど? っていうか、ひとりで飲みたい気分なんで」

「かっこいいこと言っちゃって、これから俺ら場所移動するんだけど、一緒にどう?」

ひとりで飲みたいって言ってるのに、下手なナンパにうんざりする。

無視しよう。

そう思って視線を戻すと、軽くあしらわれたと思ったのか少し強引に肩を掴まれた。

「ねぇってば、シカトすんなよ」

「っ……やめ」

その手を振りほどこうとしたその時だった。

「彼女は俺の先約なんだ。その手、離してくれるかな?」

聞き覚えのある声に顔をあげると、目の前に立っていたのは――。
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