Green Apple
次の日___

いつも通りの時間に学校に着くと、すでに山内は来ていた。

クラス1地味で大人しい感じの子と喋っている。

今の山内は楽しそうだ。

俺はあえて横を通って後ろの自分の席へと行った。

当たり前だけど、山内の方から「おはよう」は無い。


俺はランドセルを机の上に置いて座り、中に入っている教科書などを机の中に入れた。


「あの…」


すると、さっきまで喋っていた山内がふと振り返って俺の方を見ていた。


「あうっ、はい。」


なんてまぬけな返事をしたのだとすぐ後悔した。

「朝の会は何時からですか?」

初めて間近で聞いた山内の声。


「えーっと、8時45分くらいだったかな。8時半から朝読書がある。」


「朝読書かぁ。ありがとうございます。」


少し笑みを浮かべながら言って山内は前を向こうとする。

「ほん!」

その時にとっさに俺の口から出たのがこの言葉であった。

「ほん…好きなんですか?」

「はい。」

さっきよりも笑顔で答えてくれた瞬間、それはもう確信に変わった。


山内に一目惚れした。


山内を好きになった。
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