真実(まこと)の愛

「仕事の話をさせてちょうだい。わたし、今……」

麻琴はそう言って、強引に話を進め始めた。

芝田は苦笑して肩を(すく)めたが、結局は麻琴の話を聞く羽目になるのは目に見えていた。
あの頃も、そうだったからだ。

いつまで経っても、彼は麻琴に弱かった。

芝田にとって、麻琴に対する想いは間違いなく、
……「恋」だった。

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