月がみていて

<山岸病院>

(トワ先輩)

翌日、学校をサボって、例のファミレスへ…

「何やねん。今日の傷、ヤバないか? 」

アタシの(バンドエイドちゃん)を勝手に誰かがはがした。

ここには、“ケンカ好きのヤンキー少年”が集う。

「全員、サボり。」と、嬉しそう。

トワを中心に、又アタシの周囲に群がる。
 
「オキシドールで、消毒したケド…。」

一応言ってみたものの、

段々、アタシの声は消える。

「アカンわ。…トワ、例のトコ…。」

5人の目は真剣にアタシの傷口を

なめるように分析してる。

「おう、連れて行ってくる…。」

アタシは戸惑い、ちょっと引いた。

「イイデス・・・そのうち治るから。」

『コレは、無理! 』

5人の声がそう言い切ってしまったから、

仕方なく、

アタシの手が…トワの手と繋ぐ。

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