私はあなたのストーカーです
「食事は終えましたが、お風呂はまだで。やっぱり先生が一番風呂かなって」
大黒柱ですから。
食事は、私はとっていませんよ。二人で食べたいので。
「いいよ。遅くなることもあるし遠慮すんな」
「でも……」
「ヒナお姉ちゃん。一緒に入ろ」
「え?」
ぐいぐいっと腕を引かれる。この子は躊躇いなく身体に触れてくるところがあるらしい。
だから先生へのそれも、悪気は、ないんだよね。
それを私が気にしすぎているだけで。
「入ろー!」
「こら、小町。ヒナコ困ってんだろ。さっさと行ってこい」
「はーい」
小町ちゃんが不服そうにお風呂に向かい、先生と二人きりになる。
なんだろう。
十歳の頃って、あんな感じだったっけ?
違和感を抱いていると、心を見透かすように、先生がつぶやいた。
「愛情が、足りてないのだと思う」
「あ……」
「見た目ばかり成長して。中身はずっと、幼い。ここに来て、俺と心を通わせて“頼る”ことを知り、甘えたくなったのだろうな。これまで、周りに甘えられなかった分」
「そう……なんですね」
「なーんて。あくまでオッサン的独断と偏見による、憶測で。偉そうなこと語れるような生き方してねえわ、俺」
先生は笑ってみせたが、私の心がズキンと痛んだ。