ただのワガママでしょうか。
それからの仕事は、憂鬱だった。
個人情報も何もないなと、やる気が起きなかった。

どれだけの数、壁の、PCの時計を見ただろうか。
何度も何度も時間を見ては小さく息を吐いた。

それなのに、どこかメッセージが届いているのか
スマホを手に取りたい衝動に駆られる自分がいた。

就業中は見ない主義の私だが、気になり、
この時計をみる行為は、憂鬱からなのか、期待からなのか
自分でも分からなくなっていた。

いわゆるOLで、いわゆる新人の私は、本来ならば
お茶の一つや二つ、お疲れ様ですなんて、声を掛けながら
上司のデスクに置かなくてはならないのだろうが
ここの職場はそういうのはない。
良いことなのだろうか。
そのおかげか、そのせいなのか、
3時のお茶のような習慣がない。
そもそも、お客様あっての仕事なので当たり前なのかもしれない。
なのに、
お客様にお茶を出すこともない。
だからこそ、今までやってこれた。
神経質で気にしいで、きっと〇〇さんは、濃いめとか、ぬるめとか
考えだしたらどうすることもできない。
そんなめんどくさい性格だからである。
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