ただのワガママでしょうか。
「ありがとうございます。会社のお昼に頂いてもいいですが。せっかくの、行為なのに、ご、ごめんなさい。酔っちゃいそうだから。」
なんて言い訳をして、おにぎりを袋に戻した。
だいちゃんは、会社までどのくらいかかるのか分からないのに、もし、時間がかかるならと、待っていてくれたらしい。
どうしてそんなに、優しいのかわからなかった。重要な昨日の出来事などどうでもよくなっている自分がいた。

「ここで、大丈夫です。また、夜連絡します。お金もその時でいいですか?」

タクシーを止めてもらい、降りようとしたとき、また、頭をなでて
「無理せずにね。連絡待っているから。」
そう言い、ほんの一瞬だけ、ギュッと抱きしめてくれた。
「いってらっしゃい」
その言葉に、頷き、タクシーを降りた。
だいちゃんが手を振る姿を見ながら、会社まで、走りだした。

「おはようございます。」
息を切らしながら、自分の席に到着したのは、9時25分。
ギリギリセーフであった。

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