伝説に散った龍Ⅱ












「、芹那ちゃん」



「…近藤」



「伊織は…?」





普段の余裕は何処へ行ったのやら。



近藤は有り得ないくらい真っ直ぐに私の目を見てそう言った。



有り得ないくらい、声が切なげに揺れていた。



柚の言った通りだと
私は苦笑して答える。





「ちょっと、あっちこっちに打撲やらなんやらで気絶してるけど」



「…ん」



「命に別状は無いよ、大丈夫」



「………」





ーー良かった。



そんな声が近藤から漏れた。



安堵した近藤見て、
ただし



と付け足す。





「ちょっと近藤に話しておかなきゃいけないことが」



「…なに?」



「…二人で、話させてくれる?」





烈の方を向いて尋ねた。



二人きりで話したい。
近藤と私で。



色々、想定外を跳ね返すことが出来るように。



烈に視線を合わせてそう問えば
烈は少し考え込むような素振りを見せる。




























「…分かった」



「、」



「頼んだぞ」



「……、ありがとう」





< 107 / 122 >

この作品をシェア

pagetop