フェイク☆マリッジ 〜ただいまセレブな街で偽装結婚しています!〜 【Berry’s Cafe Edition】

「おい、レイカ。食ってばかりでいいのか?挨拶しに行かなくてもいいのかよ?」

ピークドカラーの黒のタキシード(ブラックタイ)を着用した男が尋ねる。


少しクセのあるブラウン系の髪に、ぱっちり二重(ふたえ)の赤褐色の瞳の彼は、まるで俳優かモデルがと見紛うばかりの超イケメンだ。

そんな彼が放つ、黒いタイと白いチーフのタキシード姿なんて、眼福以外の何者でもない。


「いいのよ、テンシ。
ただ夫の代わりに顔だけ見せてりゃいいのよ。
どうせ、政略&契約&偽装の結婚なんだから」

わたしはそう言って、切り分けられたフィレ肉の塊を口の中へ入れた。

——あ、やっぱりこのホテルのビュッフェパーティではこれを食べなきゃね。

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