フルール・マリエ


必要な書類を書いてもらい、早速ドレスのイメージを訊ねる。

まだ結婚式の打ち合わせは始まっていないが、まず最初に始めることが大抵の場合ドレス選びだ。

フルール・マリエはいくつかの結婚式場と提携しており、毎日様々な式場で式を挙げる新郎新婦が訪れる。

結婚式場は、ドレスの色に合わせて披露宴会場を演出するため、まずはドレスが決まっていないと会場を作り上げることができない。

大抵の方が一度の来店でドレスが決まることはないので、数回に分けてドレスの試着に来店してもらうのが普通だ。

「ネットで調べてて、こういう感じのがいいなぁ、って思っているんですけど、どうですか?」

スマホをいくつかタップし、画面をこちらに向けると、ピンク系のカラードレスの写真がずらりと並んでいた。

「淡いピンク色がお好きですか?」

「はい。プリンセスラインがいいんです。お店の前に飾ってあったドレスなんて、とっても素敵」

「わかりました。お似合いになりそうなドレスを、いくつか用意して参りますね」

「え、私が選ぶんじゃないんですか?」

「そうなんです。私達、ドレスコーディネーターがお客様に似合うドレスを提案させて頂くスタイルをとっています」

「そうなんですかぁ。楽しみだなぁ」


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