それがあの日の夢だった
「来羽にはこの家から一番近くにある学校に通ってもらうわ」

家で夕飯を食べているとお母さんにこう、唐突に言われた。

「早速明日から行ってもらうから準備してちょうだい」

お母さんは私にそうやって言い捨てた。

準備すると言っても何を準備すればいいのか分からない。

取り敢えず絶対に使うであろう文房具を近くにあった小さなカバンに入れた。




夜はかなり冷え込み、はっきり言って前の野宿の方がまだマシだと思うくらいだった。

寒い場所で家のなかより、暖かい場所で野宿。

そう思わざるをえなかった。
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