君と描く花言葉。




「この後どうするー?」


「アキ、パフェ食べたいなぁ!
ほら、クレステに新作でたでしょ〜?」


「うえぇ。よくそんな甘そうなもん食えるな。
2人でどーぞ、アタシは遠慮するわ」


「ええぇ〜!そんなこと言わないで〜……」



通りすがった3人の女の子の会話が聞こえて、無意識に顔がそちらを向く。


あの制服、黄野高の制服だ。


よくここら辺で見かけるからセイジに聞いてみたら、どうやらこの近くに高校があるらしい。



全く知らない高校だったけど、うちのシンプルな制服と違って可愛いデザインだったから覚えてしまった。



今の子たち、ちゃんとメイクしてたなぁ。


緑原は大人しい人が多いからか、メイクをしてる人なんてほとんどいないよ。


たまに色付きのリップをつけてる人がいるくらいで、メイクしてるなってわかる人は全然いない。


…いや、もしかしたら私が気付いてないだけで、ナチュラルメイクをしている人くらいはいるのかも。



「メイクかぁ」



いつかは私も今通った子たちみたいに、可愛くメイクして歩くのかなあ。



特に真ん中の子。すごく可愛かった。



金色の明るい髪の毛がくるくるカールしてて、ツインテールがよく似合ってる。


生まれてこのかた髪を染めたことのない私には、想像もできない世界だ。



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