大宮課長は今日もいじわる

客二人に対応していた
岡原所長と山田部長が、
どうかしたのか尋ねると、
大魔王は私のお腹の方を指差した。

「あんた、チョッキのボタン、
段違いになっとるやないかあ!
ぶあははは」

へっ!?!!

制服のベストに目をやると
右の一段目と左の二段目が
くっついている。
顔がぶくぶく沸騰したポットのように
熱くなるのがわかった。

これだけで十分、
ダメージをくらったのに、
太眉毛が追い討ちをかけてきた。
「思い出したぞ。
君はこの前、私のコーヒーを
こぼした子だね?」

ギクッ!
思い出しちゃったか…。

そう、先月太眉毛が来たとき、
コーヒーを出した。
(その時はまだ私もコーヒーを出していた)
お湯を注いだ時点でもう失敗していて、
コーヒーの量が
なみなみだったのに
調節しなかったから、
重すぎて、ぐらつき、
テーブルに出すときに少しこぼれたのだった。
少しだけね。

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