大宮課長は今日もいじわる

所長を見ると、
恐ろしい目付きで私をにらんでいる。
ひぇーー!
その岡原所長は私が会社で
最も恐れている人。
すぐ怒鳴り散らすし、几帳面で潔癖症。
若く見えるけど、あれで51歳。
社内では鬼の岡原と密かに呼ばれている。
山田部長とは対照的だ。

「すみませんねえ。
この子、うちのお笑い担当なんですよ」
山田部長がいつもの調子で
私を紹介する。

「こういう楽しい子も
1人くらいは必要やねえ」
と言って、
ハクション大魔王が笑顔で頷く。
太眉毛は無表情で
出したばかりのお茶を飲んだ。
熱かったのか、少し飲んだ後、
口の動きが「あつっ!」と言っていた。

岡原所長はハクション大魔王に
愛想笑いをしたが
目だけが笑っていなかった。
こわ……
< 51 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop