はなかんむり。

さようならプリンセス

「アリゼス様!アリゼス様!」

「ん……?」

誰かがあたしの名前を……?

駄目だ……起きないと……

「はっ……」

「アリゼス様!!!大丈夫ですか!?」

「うっうん……」

「よかったぁ……あのあとトラックが爆発してしまってアリゼス様が火で燃えてしまって、急いで救急車を呼んだんです……」

「え?」

よくみるとあたしの手元は包帯でぐるぐる巻き。
うっすらと移る窓には包帯だらけのあたしがいた。

「え……う、そ……」

「アリゼス様……」

「なんで、なんでこんなことに……???」

「アリゼス様、ほんとうに申し訳ありません!」

……なんで。こんなことに…

そんな、こんなのあたしじゃない……



「では、包帯外してみましょうか」

「はい……」

あれから3日……
ほんとうに大丈夫なのかな……

お医者さんが丁寧にあたしの包帯をはずしていく。

そして、ついに、

「できました。では、これからはお大事になさってください」

「ありがとう……」

手元をみると治ってる……

よし、大丈夫。

お父様、お母様、リアムお兄様、ルイーズちゃん……

まっててね!



お城についた!
いかないと!みんなのとこに!

大広間にいくと、いた!

「リアムお兄様っ!」

「なっ……ほんとにアリゼスなのか???」

リアムお兄様に、抱きつく。
会えたのがとっても嬉しい!

「汚いっ!さわるな!この女め!」

「へ……」

リアムお兄様……???
いつもの優しいリアムお兄様はどこへ?

「醜いし、汚ねぇ!てめぇが妹とか信じられねーよ!」

リアムお兄様……どうして?

あ、ルイーズちゃんがきた!

「ルイーズちゃんっ!ただいま!」

「え、アリゼスお姉様……?なの?」

「ルイーズちゃんまで……」

どうして……ねぇ、ルイーズちゃん!

「こっちこないでほしいの!ねぇ!アリゼスお姉様……嫌だ。ううん、姉でもない、このゴミ女……」

ルイーズちゃん……どうして?

「お母様!アリゼスお姉様いいえ、このゴミ女がお城に!」

「え?もしかして、アリゼス……?」

「そうだよ!お母様!」

お母様ならきっと大丈夫、

「出ておいき!あなたに言うことはなにもないわ!」

お母様……どうして?

あたしは可愛いウサギを助けただけなのに

それで、事故にあったのは知ってるよ。 

でも、

どうして、そんなこと言うの???

大広間をでて、

洗面台の前に

そして、

鏡の前に立つ……


あぁ、こうゆうことか

あたしの肌はあちこち焼けていて、気持ち悪い

目は火で焼けたせいか、綺麗だった青色の瞳が

右だけ薄暗い灰色に、

お母様譲りの綺麗な金髪も

ちりちりに焼けてしまって汚い……

こんなに気持ち悪いと

そりゃ、あゆなこというよね……


さようなら……


リアムお兄様、

ルイーズちゃん、

お母様、

そして今は忙しくて、海外にいるけども……

お父様、

皆様、さようなら……




あたしは、自分の部屋から必要なものをもって
お城をとびだした。


 


永遠のおわかれよっ……




プリンセスアリゼス。





あたしは深い深い森の奥底へと
はしって逃げた。







登場人物紹介4

ルイーズ.シャルパンティエ

レオナス王国の第二王女。
年齢は14歳。
アリゼスとリアムの妹。
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