もう一度キミに
プロローグ
ドカッ、バキッ
暗闇の中、何かを殴る音が響く。

「ちっ、もー終わりかよ」
ぐったりとした人を乱暴に置き、つまらなそうに呟いた男と
「ねえ、知ってること話した方がお前らの為だよ」
そう笑いながら言う男。
2人の周りには5、6人程の男が倒れている。
「言う、言うからー」
そして唯一意識があり、恐怖で震えている男。
「実はあの時……」

「へえ、そーいうこと」
「大体予想してた通りだったな」
「もうキミ、眠ってていいよ」
震え続ける男を容赦なく蹴り気絶させる。

「これからやっと、始まるね」
「ああ、全てはーーーの為に」
月明かりに照らされた2人の横顔は、寂しそうな、でも覚悟を決めたような、そんな表情だった。
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