不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
掛け布団を口に押しあてて、呼吸の音をかき消した。呼吸をしたところで寝たふりをしているとはバレないのに、そうしないと心臓が破裂しそうだったのだ。

久遠くんのそばにいると心がヒリヒリする。なぜかたまらなく切なくなって、このときが明日には消えてしまうのではと思うことさえある。

一生捨てない覚悟は私にはちゃんとあるのに、彼はいつも幻みたいな存在になる。

「……美和子……」

彼の声は、耳のすぐそばから聞こえてきた。

数ミリ肩を震わせたが、寝たふりだとはまだバレない。
そもそもなんで寝たふりを始めたんだっけ。今すぐ返事をしたっていいんだけど。

ふ、と同じ耳もとに、かすかな彼の吐息も触れた。状況が分からなくなった。久遠くんがベッドに上がった気配はあったが、横になった気配はなかったはずなのだ。
多分、ベッドの上に座ったまま、私の耳もとに顔を近づけている。
想像すると、背中にあったじわじわした熱が、耳や後頭部に移っていく。
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