モモちゃんに溺れる
ふと、キスをやめたとき。

「ねえ、」とモモちゃんが呼びかけてきた。

「なに?」

「お腹、すいちゃった。なんか食べたい。」

やっぱり子供みたい。

全然そんな雰囲気じゃなかったのに、言い出すあたりがモモちゃんらしい。

いやまだ、彼女がどんな人間か知らないから、らしいなんて言うのは変か。

俺は少し笑って、彼女の頭を一撫でしてからベッドを抜け出した。

その辺にあったスウェットを着て、冷蔵庫の中を見る。

男にしては自炊をする方だと思ってる。

「どんな気分?和食?洋食?」

「え、つくるの?」

「コンビニでもいいけど、行くのだるい。」

「すごーい!!なんでもいいよ!好き嫌いないもん。
あ、うそ。トマトは無理。ソースはいけるよ!トマトそのものの、あのぐじゅってした感じが無理なの。」

ベッドから起き上がったモモちゃんが、布団にくるまったままこっちを見てる。

「了解。」

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