それでももう、貴方以外考えられない。
でも、その後の目のやり場に困り、なんとなく先生のネクタイを見る。


ん?このネクタイの柄、もしかして…


……ミジンコ?


よく見るとその柄は、全てミジンコだった。


この人、本当に生物バカだったんだ……。


噂には聞いた事あったけど。


見た目とのギャップありすぎじゃない?


「プッ……ククク」


私は、思わず吹き出してしまった。


「ん? 何だよ、急に」


「……ネ、ネクタイの柄っ…クク…ミ、ミジンコです…よね…?」


変なツボに入ってしまって、笑いながらもなんとかそう言った。


「え? ああ、これ? うん、俺のミジンコちゃん、かわいいだろ?」


ミジンコに『ちゃん』って…。


ずっと笑い続ける私に、先生が言った。


「そんな笑うなよ。それ以上笑ったら、ミジンコちゃんって呼ぶぞ?」


「え、ちょ、やめてくださ…はははっ」

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