それでももう、貴方以外考えられない。
「……ごめんな」


「……え?」


どうして先生が謝るのか、分からなかった。


「今怖い目にあったばかりなのに、男がこんな近くだと、嫌だろ?」


そんなこと、気にしてたんだ。


別に気にしなくていいのに。


「でも、これでちょっと楽じゃない?」


そういえば、先生が私の体を囲むような姿勢になっているので、周りに押されなくてすむ。


「あ、ありがとうございます……」


私は恥ずかしくなって、先生に聞こえるか聞こえないかくらいの声で、2度目のお礼を言った。


先生が、私に向かってニッコリと微笑んでくれる。


うわぁぁぁ、破壊力やばい…。


これは、女子が騒ぐだけあるな。


私は、パッと顔を逸らしてしまった。

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