それでももう、貴方以外考えられない。
でも、私の心配は無用だった。


流石に食器くらいは洗えるらしく、食器を割ったりすることは無かった。


「ほら、全部洗い終わったぜ!」


そう言ってドヤ顔する先生がおかしくて、思わず吹き出す。


「なぁ〜に笑ってんだよ!おら!」


先生は濡れた手を私の方に向けると、水を弾いてきた。


「きゃ!ちょっと〜、何するんですか!」


「お前が笑うのが悪い。」


「も〜!…うわ、びしょびしょ…」


いつの間に、こんなに仲良くなったんだろう。


部屋が隣同士だって分かったのは今日なのに、なんだか随分前からこんな関係だった気分だった。


…こんな関係ってほどでもないかもしれないけど。


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