セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
窓から見える景色は次第に新しい街並みに変わっていた。そのままタクシーはその街並みに入り込み、里穂が住むオシャレなマンションに到着した。
「里穂、ゆっくり降りてね」
私は里穂の体を両手で支え、エレベーターに乗り込んだ。
そして、エレベーターは、5階に到着した。
「足元気をつけてね」
エレベーターを降りて右横に少し歩くとすぐに里穂の家がある。
「開けれる?」
里穂は黙って私にキーを渡す。
重々しい空気の中、私は扉を開けた。
「な、何これ?どうしたの?里穂」
部屋はまるで泥棒が入ったかのように散らかっている。私はとても驚いた。こんな光景は初めて見たからだ。
「ち、ちょっと探し物」
里穂はまだまだ震えながら答えた。
「探し物って何?」
私は全く理解できなかった。