セレブ結婚の甘い落とし穴【完】
「わ、わかった。今日は帰るね。里穂勘違いしないでね」

私は里穂にそう伝え、悲しみに堪えながら里穂の自宅を後にした。



それから、私はどうやらタクシーで帰ったようだが、あまりの里穂の強い言葉に完全に打ちのめされ、ほとんど記憶がなかった。




私は部屋を真っ暗にして自宅のソファーの下にいつものように丸まっていた。



ピンポーン


私はハッとして徐に立ち上がった。
翼?
正直、翼に会わす顔もないが…



「奏音ちゃん、奏音ちゃん、いるんでしょ?」

トントン扉を叩く。


また玲於?
近所迷惑だよ。

私はまたもや仕方なく扉を開けた。


「良かった。奏音ちゃん、会いたかった。上がるね」


「ちょっと、帰ってよ。もうどうするつもりなの?」
私はイライラ度マックス。


「だから、ちゃんと話そうよ」


「きちんと話すつもりで来たの?わかった。それなら、解決してから帰ってよ」


「もちろん」
なんだかいつもと変わらない軽々しい言動。


反省の色が全く見られない。



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