水月夜
マリコさんの無慈悲な声。
久保さんを心の底から殺したいという気持ちを抱いていたようだ。
と、突然、マリコさんがこちらのほうに振り向き、優しげな笑みを浮かべる。
『私の未練はもうなくなったわ。最後に、なにか言いたいことはある?』
言いたいこと。
それは……。
「なんで『水月夜』を北に飾ったら絵が変わるだけだったんですか?」
『それは恭平が、私が北に向いて絵を描くことが好きだったことを覚えていたからじゃない?』
「…………」
『それを覚えていたから、恭平は『水月夜』を北以外の方角に飾ったら怪奇現象が起こると噂を広めたんだと思う』
久保さんを心の底から殺したいという気持ちを抱いていたようだ。
と、突然、マリコさんがこちらのほうに振り向き、優しげな笑みを浮かべる。
『私の未練はもうなくなったわ。最後に、なにか言いたいことはある?』
言いたいこと。
それは……。
「なんで『水月夜』を北に飾ったら絵が変わるだけだったんですか?」
『それは恭平が、私が北に向いて絵を描くことが好きだったことを覚えていたからじゃない?』
「…………」
『それを覚えていたから、恭平は『水月夜』を北以外の方角に飾ったら怪奇現象が起こると噂を広めたんだと思う』