ニセモノ夫婦~契約結婚ですが旦那様から甘く求められています~
「優里は、弟と妹どっちがいいんだろう」

「えっ?」

 私が戸惑いの声を上げると、颯馬さんは妖艶に片方の口角を吊り上げた。

「颯馬さん。ま、まだお昼ですよ」

「じゃあ、可愛い小春がいつもよりさらにたくさん見れるな」

 私は顔を真っ赤にして口をパクパクさせる。

 た、たくさんって……!

「愛してる。一生、君と優里を大切に守っていくよ」

 颯馬さんは私の答えを待つことなく、再び唇を重ねる。

「俺の心は、いつだって君のものだ」

 甘く囁いた彼に強く抱きしめられた。

 ……もう。ずるい。そんなことを言われたら、拒否できない。

 私は唇を噛みしめながらも、そっと颯馬さんの背中に手を回した。




fin.
< 173 / 175 >

この作品をシェア

pagetop