蛍火
まてまてまて、必死で考えてなかったけど、これめっちゃ近いだろ…!!!てかすげえ良い匂いするんだけど…っ!!?
思わず叫びそうになったがぐ、とこらえる。
実はましろも優夜の首筋に顔をうずめたことで優夜の匂いがして顔を真っ赤にしていることなぞつゆ知らず、優夜は一人でわたわたと悶えていた。
外はやはり日差しが燃えるように熱く、一度縁側にいくと置いてあった麦わら帽子(ましろが庭の手入れをする際に使っているものだ)をましろに被らせ、先を急いだ。
ハルの元へ行くと、ハルは慌てた様子でましろを奥の部屋へと連れて行った。しばらくすると、彼女は眠ったわとハルがふわりと笑いながら奥の部屋のカーテンから顔を覗かせる。
ありがとうね、連れてきてくれて。とハルが言うので、連れてきたのは正解なのだろうと悟った。
しばらく安静にしてればすぐ良くなるしこの子が起きたら私が車で家まで送るから帰ってもいいわよ、と言われたが優夜は側にいたかったのでそれを断った。ハルはそれを聞いて嬉しそうに笑っていた。