蛍火
第2章
会ってものの数分でこのような状態になるような仲になったのはいつの頃からだっただろうか。

少なくとも優夜は周りに波長を合わせ人と接するのが上手かったから、こういう風に誰かと言い合いになるということはあまりなかった。それが、彼女に出会ってからはそうもいかなくなった。

ああだこうだと言うくせに、その割には他人に流されやすい。そのうえぼーっとしていることが多いからほっとけなくて、世話を焼いてしまうのはもはや自分の性分。
しかし、それを受け入れてくれるまでは、優夜が構おうとすると、ふいと顔を背けて我関せず。
近づくと逃げ、遠ざかれば余計に距離を置くような子だったのだ。
上手く事を運べないことに戸惑っていたけれど、最近はちゃんと甘えるようにすらなってきたましろのことを可愛がっている優夜からすれば、彼女のワガママなぞ可愛いものに過ぎなかった。



『──ゆう』



自分を呼ぶその声に含まれる微かな甘えに、自分が他の人たちよりもましろに近い存在だと感じられる優越感さえある。
優夜からすれば、彼女は妹のような存在で。
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