いつかは売れっ子グラフィック・デザイナー
「最近はちょっと暇なのかな」
一週間ほどして俊介が尋ねた。たまたま彼が早く帰れた日だった。
「ええ」彩香はビクッとした。俊介が尋ねるのは予期してたので、努めて気軽な口調で言った。「うん、ちょっとプロジェクトに予定変更があったみたいで」
「そうなの。ま、よくあることだね」
俊介はそれだけ言った。
そのあと夕食中、俊介は珍しく饒舌で、仕事場であったできごとを面白おかしく語った。
「…いやもう、人の作ったクッキーやケーキをうっかり褒めるもんじゃないよ。そのパートのおばさん、喜んでしょっちゅう作って来るようになった。みんな、泣きそうな顔を隠して食べてるんだよ。そもそも…」
一週間ほどして俊介が尋ねた。たまたま彼が早く帰れた日だった。
「ええ」彩香はビクッとした。俊介が尋ねるのは予期してたので、努めて気軽な口調で言った。「うん、ちょっとプロジェクトに予定変更があったみたいで」
「そうなの。ま、よくあることだね」
俊介はそれだけ言った。
そのあと夕食中、俊介は珍しく饒舌で、仕事場であったできごとを面白おかしく語った。
「…いやもう、人の作ったクッキーやケーキをうっかり褒めるもんじゃないよ。そのパートのおばさん、喜んでしょっちゅう作って来るようになった。みんな、泣きそうな顔を隠して食べてるんだよ。そもそも…」