明日キミに聴かせたい

こうして日曜日の後半を奈津と過ごした私の家に、夕方になると母が帰宅し、夕飯は3人で母が作ったカレーライスとサラダを食べている最中に父が「ただいま」と帰宅した。

そして「またね~」とお腹を満たし、笑顔が戻った奈津は私と母に玄関で見送られ、無事に家へと帰ったことをメッセージで知らせてくれた。


ー明日頑張って先輩に謝ってくる!粉砕したら羽流…その時は慰めてね!!

ー任せとけ!!


奈津から聞く限り伏本先輩は、ちゃんと話せばわかってくれるような人な気がするのだけれど、人はわからないことだらけだから気がするが当たるとは限らない事もわかっている。

話しかけて、痛い目をみることだってある。


"声ちっさ~あはははは"


お風呂を済ませ、部屋でドライヤーを使いながら髪を乾かしている途中、奈津が明日泣きながらうちに寄らない未来を願った。



そしてこの時の私も、奈津も、翌日それどころじゃなくなることを知るよしもなく、親友を想い、謝る言葉を考え、日曜日の終わりを過ごしていた。



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