箱入り娘に、SPを。
「GPSもオンになってる!」

「へぇ、いつこんなことをしたんだろうな」

通話時間からさかのぼったのか、落ち着いた様子の

「あー、そうかー、ホテルで勘づかれたか」

という声と、スマホが落ちる音。
すぐにガチャン!という音もした。

…スマホ、たぶん踏まれたかな。


「誰に繋げていた?父親か?」


もう自力では動けない私は力づくで起こされ、悠月と呼ばれている男が尋問のように聞いてきた。

わずかに残った力で小さく首を横に振った。

「私の……私の……、好きなひと。大好きなひと」

「─────は?こんな時にふざけんな」

「それはこっちのセリフ!ふざけんな!」


残された最後の力で暴言を吐いてやった。
さっきのチンピラの比じゃないような力で引っぱたかれた。

身体がコンテナまで吹っ飛ばされ、本当に意識が途切れかける。
あぁ、ヤバい。視界がぼやけてきた。


次に目を覚ました時は、私はどこにいるんだろう…。




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