箱入り娘に、SPを。
難攻不落なひと
「三上くんって、ずっと警視総監の娘の護衛してたらしいよね〜」
たしかに極秘任務だわ、と煙草をふかして面白そうに明那が笑っていた。
「不憫だよねぇ、警視総監の娘ってだけでSPつけられてさ。自由なんてないじゃない?同情するわ」
ひとりごとのように話す明那は、まったく反応しない私を変に思ったのか首をかしげてわざとらしく
「もしもし?愛佳?」
と話しかけてくる。
「あ、ごめん。なに?」
「だからさぁ、警視総監の娘の話!」
「あぁ……」
今朝から何回も聞いた、その話題。
捜査一課でも持ちきりだ。
課長が私に言えるはずもなかった、警視総監からの指示で娘の警護。
三上くんがなぜその役を担ったのかは、謎のままである。
「ねぇ、今日このあと飲みに行かない?」
珍しく私も明那も上がる時間が一緒の予定だった。
なにか特別な事件などが起きない限りは。
しかし、私には行くところがあった。
「ごめん、今日は予定あるの。また今度!」
「えー、近藤くんの話聞きたかったのに〜」
「あいつ、思ってたよりヘタレだよ」
幻想を抱いている明那には申し訳ないが、きちんと事実を伝えると、彼女は「えー!!」と衝撃を受けたような顔をしていた。
そんな彼女を置いて、先に喫煙所を出た。
たしかに極秘任務だわ、と煙草をふかして面白そうに明那が笑っていた。
「不憫だよねぇ、警視総監の娘ってだけでSPつけられてさ。自由なんてないじゃない?同情するわ」
ひとりごとのように話す明那は、まったく反応しない私を変に思ったのか首をかしげてわざとらしく
「もしもし?愛佳?」
と話しかけてくる。
「あ、ごめん。なに?」
「だからさぁ、警視総監の娘の話!」
「あぁ……」
今朝から何回も聞いた、その話題。
捜査一課でも持ちきりだ。
課長が私に言えるはずもなかった、警視総監からの指示で娘の警護。
三上くんがなぜその役を担ったのかは、謎のままである。
「ねぇ、今日このあと飲みに行かない?」
珍しく私も明那も上がる時間が一緒の予定だった。
なにか特別な事件などが起きない限りは。
しかし、私には行くところがあった。
「ごめん、今日は予定あるの。また今度!」
「えー、近藤くんの話聞きたかったのに〜」
「あいつ、思ってたよりヘタレだよ」
幻想を抱いている明那には申し訳ないが、きちんと事実を伝えると、彼女は「えー!!」と衝撃を受けたような顔をしていた。
そんな彼女を置いて、先に喫煙所を出た。