箱入り娘に、SPを。
「慎ましやか、なーんてお嬢様には縁遠い、思ったことが全部おもしろいくらいに顔に出る、元気で勇敢で正直でおもしろい子」

「ふふっ、なにそれ」

「最初の頃なんて、僕を撒くために心血注いでたよ。嘘ついてもぜーんぶ分かっちゃうの」

聞きながら、なるほどねぇと膝の上で頬杖をついた。

要するに、すべて手にとるように分かるような素直な子なのだ。
嘘をついてカフェオレを飲む私みたいな人じゃなく、彼に合わせずに好きなように自分の飲み物を選択する、そんな子。


しばしの沈黙のあと、ふと顔を上げる。

「……ねえ、“警視総監の娘”ってハードル高くない?」

私のこの言葉はどうやら彼の地雷だったらしい。
一瞬で三上くんの表情が曇った。

「分かってる。半殺しにされるくらいの覚悟はできてる」

「そんなに!?」

「次に出勤した時に松葉杖ついてたら察してね」


ふふふ、と笑いが止まらなかった。


フラれたっていうのに、今日やっと本当の彼を見れた気がして面白かった。
こういう会話を出会った時から素直にできていたら、未来は違ったのかもしれないが。




数年間秘めていた三上小太郎への私の想いは、この時をもって幕を閉じた。






*⑅︎୨୧┈︎┈︎おまけ おしまい┈︎┈︎୨୧⑅︎*
< 166 / 166 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:42

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

恋を知らないきみへ

総文字数/206,269

恋愛(オフィスラブ)308ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
人に恵まれてここまで生きてきた。 仕事は順調。 彼氏もいる。 人間関係も良好。 そんな中、ふと現れた よく知りもしない同期。 「俺、たぶんきみのこと、嫌いだと思う」 ぶつかり合いから始まる 不器用な恋がある。 あなたは初めて 私に“好き”を教えてくれた。 ───木ノ下くん。 私、たぶんあなたのこと、好きだと思う。 ◇◆◇◆◇ R8.7.25 連載START
あと30日で、他人に戻るふたり

総文字数/256,866

恋愛(ラブコメ)403ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
それはいわゆる ドラマほど情熱的でもなく 漫画ほど急展開を迎えることもなく 少しずつ、 本当に少しずつ 距離が縮んでいく ちょっとだけ噛み合わないふたりの 不器用な恋のお話 ◇ いわくつきの部屋で 突然はじまった はじめましての男女の同居生活 日めくりカレンダー 一緒にめくってみませんか R8.5.22 完結しました
恋は手のひらの上で

総文字数/127,614

恋愛(オフィスラブ)228ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
─────あ、私の好きな手だ。 それは直感みたいな 運命みたいな 必然みたいな その手を取ることは 私にとって 最高の“幸せ”だ R8.2.28〜R8.3.17 連載 完結しました。 ••┈┈┈┈•• スピンオフ作品 「この恋、予定外。」も完結しています。 そちらもぜひよろしくお願いします! ⁡⁡✼••┈┈••✼⁡ 銀野あお様 素敵なレビュー ありがとうございます!

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop