黒の殺し屋と白蓮の騎士との甘い異世界恋愛



 先ほどから歩いているのは、青草の人たちが住む場所だった。先ほど水音が行こうとしてエニシに止められた場所だった。
 家は木造や石造で、表通りには様々な店が並んでいた。水音がいた国よりも少し発展が遅いようで、電気などはなかった。光りは全て貴石が使われているようだった。
 人々の服は元の世界と同じようなものであったが、どことなく違う。RPGゲームの異国のような雰囲気だった。

 煉瓦出てきた綺麗な道を、白騎士達はゆっくりと進んでいた。
 もちろん、青草の人々は慌てて道を開けていた。青草よりも上の立場である白蓮の使いの者達なのだ。邪魔をすることはなかった。
 青草の人々は、憧れの目で見ている人もいた。けれども、ほとんどか恐怖心からか見な目線を下にして、避けているように水音には見えた。


 「レイトさん、ひとつお聞きしてもいいですか?」
 「はい。何でも聞いてください。」
 「白騎士は青草の人々が行ってると聞きました。ですが、レイトさんは白蓮の方なんですよね?どうして、白騎士になったのですか?」
 「よくご存知ですね。この世界に来て間もないと言うのに。」
 「………街の人たちが話しているのを聞いたもので。」


 水音は思わずドキッとしてしまったが、何とか焦らずに誤魔化すことが出来た。レイトも、何も感じていないのか、水音がこちらについて多少の知識があるのに驚いただけのようだった。


 「一人がまとめ役をした方が統率が取れるだろう、というのが1番の理由ですが……。僕は何もしないで暮らすというのが苦手みたいなんです。からだを動かしていた方が、好きみたいですね。」
 「そうなんですね。なんか、わかるような気がします。」
 「……ありがとうございます。さて、おしゃべりはここまでです。白蓮の集落が見えてきましたよ。」
 

 レイトの前を見るようにと促す言葉を聞いて、水音は正面を向いた。


 そこには、高い壁がずらりと並んで見渡す限り続いていた。その壁に守られるように建っているものをみて、水音は驚いてしまった。


 「わぁー綺麗ー!」

 水音は、思わず声を上げてしまった。
 そこには、色とりどりの宮殿のような建物が並んでいた。赤や青、白や緑など、様々なお城が建っていたのだ。遠くからみると、それは何かのお菓子のように可愛く見えた。


 「派手でしょう?みんな、好きな色で作っていくから、統一性がなくなってしまってね。」
 「これはこれで、素敵です!私は可愛くて好きです。」
 「君にそう言われると嬉しいよ。」


 後ろから、レイトの喜んでいる声が聞こえた。
 レイトは、壁の入り口にやってくると、入り口には数人の男がいた。短剣を腰に掛けており、水音はすぐに検問だとわかった。

 壁の中に入る人々は、門番に白蓮の刻印があるかをチェックされているようだった。だが、顔を見ただけで入れる場合も多く、白騎士達は全員が顔パスだった。


< 37 / 113 >

この作品をシェア

pagetop