小悪魔彼女×溺愛彼氏
「何だよ、今さら。」


斗真から放たれたのは
冷たく突き放す言葉。


だけどそれに怯むどころか
距離を詰める彼女。


「そんな事言わなくてもいいのに。
珠理、悲しいな。
せっかく会えたのに。」


「俺はお前になんて会いたくない。
行くぞ、美桜。」


いつもより強引に手を握られ
彼女、珠理ちゃんの横を通り過ぎる。


擦れ違い際、


「あんた、邪魔ね。」


さっきとは裏腹に
ドスノ利いた声が私の耳元で
そう囁いた。


斗真には聞こえていない。


私は、喧嘩を売られたみたい。


何があったのかは分からない。
争い事は嫌いだけど、
斗真だけは絶対に取られたくないの。
そのためなら私は堂々と戦うよ。
< 102 / 306 >

この作品をシェア

pagetop