小悪魔彼女×溺愛彼氏
斗真は彼女を見るなり
顔をしかめた。
斗真の表情を崩すなんて、
この子は相当斗真にとって
なにか大きい存在だって事を示していた。


「珠理…。」


”しゅり”


ただ名前を呼んだだけ。


たったそれだけなのに
私は気付いてしまったんだ。
あぁ、この子は斗真の元カノだ…って。


「斗真、久しぶり。」


ニコッと笑みを零す彼女はまるで天使だった。
ふわっとした雰囲気を纏った
小さな体。小さい顔。
それに似合わないたれ目がちの大きな目。
その瞳は茶色がかっている。
髪は光に当たると茶色に見える黒。
化粧なんてほとんどされていない。


やっぱり斗真のタイプは
こういう子かって、
柄にもなく落ち込んだ。
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