俺の「好き」は、キミ限定。
 


「ど、どうしよう……っ」


慌てて地面に手をついて探してみたけれど、見つからない。

そのうちに空からは雨の雫が落ちてきて、私の身体を冷たく濡らした。

次から次へと、私を嘲笑うかのように空から雨が落ちてくる。

みるみるうちに足元はぬかるんで、立っているのもやっとだった。


「ふ、う……っ、」


こんなことになるくらいなら、ユウリくんを信じようと思った気持ちも、私がユウリくんを好きだという気持ちも、全部全部、最初からなかったことにできたらいい。

そうすれば今、こんなに辛い思いをせずに済んだのに──。


「さ、探さ、探さなきゃ……っ」


それでももう一度立ち上がって、降りしきる雨の中、イヤリングを探した。

濡れた髪が頬に張り付き、靴の中が濡れそぼって気持ち悪い。

それでも私はただひたすらに……たった一人で、探しものを探し続けた。

 
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