俺の「好き」は、キミ限定。
 


「え、と……。あ……そうだ。ミオって、誕生日はいつ?」

「え……」

「いや……ほら、"お互いのことをよく知ろう"っていうなら、まずはそこから、かな?と思って」


何か話題を作らなきゃ、と思ったら、そんな質問しか思い浮かばなかった。

するとミオは、一瞬キョトンとしたあとで、すぐにハッとした様子で俺の質問に答えてくれた。


「じゅ、12月、26日です……!」

「え、クリスマスのすぐ後!?」

「う、うん。ほんとの予定日は25日だったらしいんだけど、1日遅く産まれてきたみたいで……」


言い終えてから、照れくさそうに笑うミオは、「家族にはクリスマスと誕生日、一緒に祝われるパターンだよ」と言葉を続けた。


「ユウリくんの誕生日は?」

「俺は、11月26日。ってことは、そうか。ちょうど一ヶ月違いだなんて、すごいな」

「確かに……! すごいね……!」


驚いたように声を弾ませたミオを前に、また顔が綻んでしまう。

誕生日が近いって、たったそれだけのことがこんなに嬉しいなんて、どうかしてる。

 
< 52 / 288 >

この作品をシェア

pagetop