俺の「好き」は、キミ限定。
 


『……今度やってみる?』

「え……」

『リモート同棲。……なんて、そんなことしたら、一日中ドキドキして、ミオのことばっかり考えちゃうな』


そう言って、小さく笑ったユウリくんを前に、鼓動のリズムが速くなる。

……今、私も同じことを考えていたんだよ。なんて、照れくさくて言えなかった。

なんだか、変だ。もうずっとドキドキしていて、胸の高鳴りが収まらない。


『離れてても、こうやって顔が見れて、声が聞けるだけで嬉しい』


──私も、嬉しい。

そう言いかけて、慌てて言葉を飲み込んだ。

ドキドキして、緊張して落ち着かないのに嬉しいなんて……やっぱり変だよ。

そう思うのに今、ユウリくんが同じ気持ちでいてくれるのが嬉しくて、くすぐったい。

 
< 84 / 288 >

この作品をシェア

pagetop