終わりにした夫婦

···正基③


正基は・・・

豪の怒鳴り声を・・
いや・・子供との会話を
久しぶりにした・・・

 それが・・怒鳴り声・・・

テーブルの上に・・紙?

なんだ?

手にとって読む

・・・・内容は・・・

離婚について・・だ・・


それは、弁護士からの文章だった。

妻が、俺との離婚を望んでいること
後、財産については・・
何も望まない
  と・・書いてあった。

弁護士のコメントに・・・

あなたは何十年もの間
家庭を省みず
奥様にすべてを背負わせてきました。
ですから
もう、奥様を解放してください。

同封の離婚届に記入されましたら
こちらに連絡をください。

と、弁護士事務所の電話番号が
書かれていた。

力が抜けてしまい
ドンとソファーに腰が落ちた。

すると・・・

目の前から声が聞こえた。
「記載したら弁護士さんに
     連絡してください。」
「お前は、お前達は、
・・・みんな知って‥‥いたんだな?」
と、俯いたまま、言う父に
「はい。三ヶ月前ですかね
母さんに三人とも呼ばれて
ここで話を聞きました。」
「・・反対するやつは・・・」
「反対?いません。
あなたと離婚しても母さんは、
僕らの母さんに代わりありませんから。

今までずっと、母さんは僕らの為に
贅沢もせず、旅行や友達と遊ぶ事もなく
過ごしてきました。

僕達三人が、幸せに落ち着いた生活を
している今、私も自由に生きたいと
言っていました。
これから先の人生しか自由して
あげれないけど
自由に幸せに過ごして欲しいと
伝えました。」
「・・・・・・・・」
「では、帰ります。」
「・・・・・・・・」

バタンと、玄関が閉まる音がしたような

正基は、しばらくソファーに
座ってまま動けなかった。
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