終わりにした夫婦

···二人同時には助けられない


羽叶・・・

亜子が立ち去っても
席を立つことができなかった。

素敵な女性に出会ったのに‥‥

心が温かくなるような恋が
  できたのに‥‥‥

今から結婚して
 幸せになろうとしていたのに‥‥‥

いったい·····何を···やっているんだ

俺は······


だが·····瑛里子とは

本当に離れられないのだろうか····
あいつが、困ることがおきたら····
あいつが、辛いと泣いていたら····
わからない·····わからない······

亜子····
亜子が、泣いていたら····
亜子が、助けてを求めたら·····
直ぐに·····駆けつける····

なら、二人が同時に助けを求めたら
当たり前に·····
当たり前に····

ああ······これか·····これだ······

悩む自体で······

本当に、起きていたら
二人とも·····助けられない······
と、言う事だ。

人間として······
弁護士を職務としているものとして
情けない·····

いつの間にか、カフェをでて
支払いもしたのだろうか
それさえも定かではない。

ああ、ここは
亜子に告白した場所だ
河川のベンチに腰かける

母さん、父さん、

 やはり·····俺は独り身みたいだよ

   ······ごめんな·····
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