心の中に奏でる、永遠の向日葵

パチパチパチパチ!
 


屋外のはずだし、拍手は響かない。
 

なのに、なぜかこの拍手が、俺が聞いた中で、一番大きな拍手に思えた。
 

なかには、立ち上がって拍手をしてくれる人もいる。その中には、あの三人も入っていた。
 

これだけの大きな拍手は、全部俺たち二人に向けられている。

お世辞も入ってると思うが、それでも嬉しかった。


向日葵の演奏を、皆がいいと思ってくれた。俺の演奏を、ちゃんと人間の演奏と思ってくれた。
 

それだけで、胸がいっぱいになる。
 

横を見ると、先生もマイクをわきに抱えながら、精いっぱい拍手をしてくれていた。
 

いつもは眩しいくらいのスポットライトが、こんなにも気持ちよく感じたのは、初めてだ。
 

「気持ちいいだろ?」
 

俺がそう聞くと、向日葵は頷いた。
 

子供のように、いつもと何一つ変わらない、無邪気な笑顔で。
 

「気持ちいい!」 
 

そう、言ってくれた。




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