この瞳だけを見て
EP:006 バレンタインと高校卒業




時は少し過ぎて

《 2017年12月 5年前 高校3年生の冬 》


部活も引退して、受験モード真っ只中。



放課後は図書館で勉強するのが日課、ルーティンとなっていた。


真面目に勉強しているものの、やはり空腹と睡魔が襲ってくる。



「ボー」っとしていたら、「おい」って教科書で頭トンって叩かれ、ビックリして顔を上げたら関谷くんで



「ん。あ、なんだ関谷くんか」と呟き、問題集に再び視線を下ろし読み始めたら…



「…誰のこと考えてた?もしかして智哉?」って関谷が聞いてきて、祐奈は思わず顔が赤くなった瞬間



「頑張れよ」



そう言って関谷は図書館を去って行った。


関谷が図書館を出た瞬間、智哉が図書館に入ろうとしているところをバッタリ遭遇した。



「おぉ、原さん中で待ってるよ」





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