檸檬の黄昏
茄緒が目覚めた時すでに外は日没後。

部屋の暗さに驚き飛び起き、外を見ると街灯が照らし空には月が出ていた。


貴重な一日を昼寝に使ってしまった自分に落胆しながらスマホの時計を見ると、夕方の五時三十分。
着信ありのサインが表示されている。


かけ直すと風呂のリフォーム会社からだった。


明日、風呂をリフォームする予定だったのたが部品が一部揃わないので、あと二日ほど待ってもらえないかとの連絡だった。

茄緒は了承し通話を切る。

今日も銭湯に行くことを決める。

更に山奥になるが珍しい鉱泉の風呂があり、茄緒は借家を下見に訪れた時からそこを利用している。

老夫婦が経営している旅館で茅葺き屋根の旅館で、雪のシーズンは満室になるそうだ。
しかし今はまだ早いため独占状態で利用している。


着替えの用意をして外に出ると隣人宅に車が停車しているのが見える。


ジープのようだ。

知り合いが来ているようだ。

茄緒はそれ以上は気にすることなく車に乗り込むと、車を走らせた。



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