さよなら崩壊都市
次の病室まで少し歩いた。
入院者のネームプレートまでは読めなかったけど、
月明かりに照らされてぼんやりと顔は見える。

え?この顔、双葉だよね?
しかもこっちはクラスメイトのシン?!
おかしいって。みんなちゃんと元気だったはずなんだよね。
少し離れたベッドに寝かされていたのは、
紛れもない自分の母親だった。

毎日毎日「美命(みこと)!起きなさい!何回も言ってるじゃないの!」と怒鳴り散らしてるお母さん…?
絶対にお母さんは入院なんてしてないんだ。

こんな所…私知らないよ。
帰りたい。夢から醒めてくれればいいのに。
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